コラム

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2021/4/13 一億人の投信大賞上位入選ともう一つの大きな価値

3月25日の夜に、当社に一通のメールが届きました。そのメールは、ユニオンファンドが『一億人の投信大賞2020』において外国株式部門第3位に入選したとのご報告でした。

 

ユニオンファンドが『一億人の投信大賞』において上位入選したのは、2015年新興国株式部門で第2位、2017年外国株式部門で第2位、そして今回で3度目になります。
実は毎年この賞の発表時期になると、私はいつも気になってそわそわしています。
この知らせを受けての正直な気持ちは、まずはホッとしたというものです。3年ぶりの上位入選ですから、嬉しくない訳はありません。ただ、それ以上に毎年気にしていることがあるのです。

『一億人の投信大賞』とは?

みなさんは『一億人の投信大賞』という賞をご存じでしょうか?
この賞は、巷でよく見られる「今一番売れている」とか「今一番利益が出ている」とかいうランキングや賞のようなものとは審査目線が一線を画しており、「普通の人が普通に長期投資で資産形成をするために使えそうな、より良い投信を探そう」という趣旨で投資信託を評価しています。
まずは、前段の「普通の人が普通に長期投資で資産形成をするために使えそうな」条件でスクリーニングされます(下記「ノミネートファンド選出」参照)。
実は、このスクリーニングで残る評価対象が毎年非常に少ないのです。2020年が2.8%(157本/5,679本)、前年も2.5%(143本/5,747本)と、例年一握りの投資信託しか残らない状況が続いており、その結果には毎年驚かされます。
この狭き門(個人的には、スクリーニング条件はこの結果程厳しいものではないと思うのですが)を潜り抜けたノミネートファンドの中から、パフォーマンス等を評価して「より良い投信」が選定されます。

10年以上前から変わっていない日本の投信の課題

公表されているスクリーニング結果(下記「ノミネートファンド選出」参照)をみると、通過率が突出して低い、つまりクリアを難しいものにしているのは、以下の2つの条件であり、これも例年変わっていないようです。
 ① 過去36か月のうち資金純減月数13か月以上のものを除外(2020年度通過率22.9%)
 ② 基準月末純資産30億円未満を除外(2020年度通過率37.9%)
上記①は運用実績3年以上という条件を通った投資信託での実績となっていますので、設定から3年で区切っても、購入金額の維持・拡大が難しくなり、売却額の方が多い傾向になっている商品がかなりあることを示しています。
また、②の純資産総額30億円は、一般的にビジネスが成り立つ投資信託の水準として挙げられています。②の対象は設定から間もない商品も含まれていますが、設定から時間が経って純資産が減少し、ビジネスが成り立たない水準まで減ってきているのだとすれば、今後繰上償還の検討がされかねないということになります。
上記通過率は、それ以前のスクリーニング条件をクリアした商品での値ですので、この数値が投資信託全体での値ではないとしても、永く続く投資信託が多くないという実態は判ります。実際、昨年1年間で償還された投資信託は350本弱もありますし、さらにその内の約半分は繰上償還なのです。
このことは、購入しているお客様が短期での利益を求める投資(投機に近い行動)をしていることが一因でもありますが、それも販売戦略やお客様への投資説明の不足が招いている点も否めないと思います。
長期つみたて投資で生涯に渡る資産形成を任せられる投資信託が少ないという課題は、私たちが10年以上前にユニオン投信を立ち上げた理由でもあり、その当時からなかなか改善されていないのではないかと思います。

ユニオンファンドにとって、上位入選より重要なポイント

ユニオンファンドは、働く人たちが働きながらコツコツとつみたて投資を長期で続けて資産形成を行っていくために作られた投資信託です。
購入されるみなさんが安心して生涯投資を続けられるためには、永続的に続く投資信託でなければなりません。
そのために、セミナーを通じてユニオン投信が考える長期つみたて“ほったらかし”投資をしっかりとご説明し、実際に行っていただく仲間を増やしていくという販売方法を取っており、口座開設者の74%が定期定額購入をされています(2021/3/末現在)。多くの方が長期でつみたて投資を行ってくださることは、安定的な資金流入を生み、長期投資を前提とした運用ができる状況を作っています。ユニオンファンドは、一人一人の長期つみたて投資の行動が、一緒に投資を行っている仲間全員の投資環境をより良いものにしていくという互助で成り立っている投資信託だと考えています。
『一億人の投信大賞』では、この点を「受益者の質」と表現されています。この観点がスクリーニング条件や評価項目に入っていることは他に無い大きな特徴であり、その意味で毎年行われるこの賞はユニオンファンドが目指している姿を実現できているかどうかを社外から評価いただける貴重な場だと捉えています。
ユニオンファンドは、純資産総額30億円を超えて迎えた2015年から6年連続で『一億人の投信大賞』でノミネートされています。ちなみに、『一億人の投信大賞2020』にて6年以上連続でノミネートされている投資信託は、わずか30本しかありません。このことは、ユニオンファンドにとって上位入選に勝るとも劣らない大きな価値だと思っています。
今後も厳しいスクリーニング条件(これが厳しい条件となっていること自体がこの業界の問題だと思いますが)をクリアして、ずっとノミネートされうる“頼りになる投資信託”であり続けられるよう努力していく所存です。

『一億人の投信大賞』のHPには、選定者の島田知保さん、竹川美奈子さん、高橋忠郎さんの対談記事があり、この『一億人の投信大賞』を作られた理由や、選定の考え方、どう活用して欲しいかといった内容が書かれています。
とても興味深い内容でしたので、是非ご覧になっていただきたいと思います。

 『一億人の投信大賞』を作ろうと思った理由
 『一億人の投信大賞』の特長・活用法

(赤津 正)

 

2021/3/9 定期売却の落とし穴

前回のコラムにて、運用しながら取り崩していけば、使えるお金(利益)を増やしていくことができるとお伝えしました。
そのためにも、売却は「お金が必要になった時に、必要な金額のみ売却して、残りは運用を続ける」ことをお勧めしていますが、年齢の高いお客様から「定期で売却する方法を設けてほしい」とのご要望をいただくことがあります。現在ユニオン投信では定期売却のしくみを設けていませんが、定年後に資産を取り崩して生活するようになると、都度売却するより定期的に自動売却(換金)される方が手続きが楽で良い、というのがご要望の理由です。
確かに手間は掛からなくなりますが、それだけで選んでよいのでしょうか?
今回は、この定期売却について考えてみたいと思います。

定期売却には、3つの方法がある

定期的に取り崩していく方法には、以下の3つのやり方があります。
 ① 定額売却 毎月一定金額を売却していく方法
 ② 定口売却 毎月一定の口数を売却していく方法、売却開始時に期間を決めて売却することになります
 ③ 定率売却 毎月保有残高の一定割合(比率%)分を売却していく方法

これら3つの方法で、基準価額が上下する中で定期的に売却を進めたらどうなるかを見てみましょう。

前提条件は以下の通りです。
 ・基準価額の期間中の平均リターンは1.5%/回、10回目と30回目を境に上昇/下落が切り替わる
 ・初回売却額が25,000円となるように設定する
 ・結果の算出にあたっては、税金は加味しない

結果は以下の通りとなりました。

このシミュレーションを元に、3つの定期売却方法の特徴を整理すると、以下のようになります。
 ① 定額売却 売却金額が一定のため、生活費の補填など継続的に取り崩す場合には設定しやすい。
                  右のケースの最大売却口数が第1回の1.4倍にもなっているように、基準価額が下落した時
                  の売却口数が大きくなり、資産寿命を短くする恐れがある。基準価額の暴落や下落局面が
                  続いた場合には、特に注意が必要(受取総額が初期資産額を下回る恐れもある)。
 ② 定口売却 設定する比率により取り崩し期間が決まり、資産寿命を延ばすことはできないが期間短縮
                  も発生しない(確実にその期間受け取れる)。
                  基準価額の変動により売却金額が増減し、金額変動幅は3種類の中で最大。
                  運用状況が良いと、終盤に受取金額が当初設定金額よりはるかに大きくなる可能性があ
                  る。
 ③ 定率売却 徐々に売却量(口数)を減らしていくので、資産寿命を延ばすには有効。
                  時間の経過とともに売却量(口数)は減少していき、基準価額は上昇方向となるので、
                  先々の受取金額の想定が難しく、設定比率を決めづらい(必要金額で設定するとズレが出
                  やすい)。
                  同一期間中の受取額が3種類の中では最も小さくなることが多く、逆に受取総額と最終残
                  高の合計は最も大きくなりやすい。

どのやり方にも一長一短があり、どの方法がベストだと言うことはできません。
実際に利用するにあたっては、それぞれの特徴を踏まえて自分の目的に最も合う方法を選択するのが良いでしょう。
どの方法においても、価格変動の影響を抑えて受取総額を上げるには、受取期間を長期で設定した方が良いのは共通です。余分な現金を持つとつい使ってしまいがちですので、設定を低めに抑えて期間を長くする方が良いと思います。

手間より気持ちが楽な方法を

定期売却のどの方法を利用しても、受取総額をより大きくしたいなら状況を見ながら臨機応変に一時中断や条件変更をする必要があります。口数の大量売却が続けば資産を大きく目減りさせてしまうので、そのまま続けるのは得策ではありません。また、必要金額より受取額が大幅に下がれば追加で換金せざるを得ないでしょうし、大幅に増額となってせっかく“働いているお金”を増えない預貯金にどんどん変えてしまうのももったいない話です。
楽に続けられる長期つみたて“ほったらかし”投資ですが、売却に関しては“ほったらかし”は賢い選択とはいえないようです。

以上を踏まえると、売却はやはり『お金が必要になった時に、必要な金額のみ売却する』のが良いと私は思います。
不安を感じたり、感情が揺さぶられたりするのは、誰にとっても辛いことです。定期的にお金が振り込まれても、先が読めない基準価額の変動や資産額の減り方をいつも心配していなければならないのなら、決して楽とは言えません。そこが、死ぬまでほぼ一定額をもらい続ければよい公的年金とは大きく異なるところです。
それなら、いっそそんな事は考えずに使うお金だけを下ろすことにして、今それが本当に必要かどうかを考える方が悩みは少ない気がします。また、単純に評価損益の状況を見て、厳しいと思う時には使わず、状況が良いと思う時には「たまにはちょっと贅沢でも・・・」といつもより多めに売却したりするなど、その都度考えた方が簡単だったりします。
自分にとって必要最小限の金額のみ売却することは、悩んだり考えたりする事が少なくて済みます。それでいて資産寿命を延ばす観点では、結構理にかなった売却の調整になっていたりします。
行動や感情に負担をかける(不安を抱える)ことなく、効果的に口数減少が抑えられて資産寿命が延びる。さらに、時に自分の楽しみにお金を遣って人生を充実させることができるのであれば、資産運用における理想的な姿と言えるのではないでしょうか。
そのために売却にちょっと手間を掛けるのは、決して大変なことではないと私は思いますが、いかがでしょう。

(赤津 正)

 

2021/2/9 『利益確定売り』が頭に浮かんだら考えてほしいこと

コロナショック後の世界的な株価上昇を受けてユニオンファンドの基準価額も上昇し、昨年最終日の12月30日にほぼ3年ぶりに設定来最高値を更新しました。1月以降も28,000円を超えて概ね上昇傾向を続けています。
そんな基準価額の上昇を受けて、11月頃から売却される方が増えています。特にこれまでずっとつみたて投資を継続されてきた方など、ほとんど売却をされてこなかった方が一部ではなく全部売却されているケースが目立ちます。
私たちがセミナーなどでお勧めしている長期つみたて“ほったらかし”投資では、売却は「お金が必要になった時に、必要な金額のみ」行うのが良いと説明しています。しかし、コロナ禍が落ち着かない中で、売却された皆さん全員が住宅や車を買うほどの大金を今必要とされているとは思えません。今回の売却には、いわゆる『利益確定売り』がたくさんあるのではないかと思っています。

あなたの感情が「資産を増やすこと」より優先するもの

以下のような状況の中で『利益確定売り』を行いたくなった気持ちはよく解ります。
 長く積立されている方(下図①) 自身の評価益が約3年ぶりに最高益となった
 積立数年の方(下図②)       2年以上評価益が+/-を行ったり来たりした後にコロナショック
                 で大きく評価損が発生し、そこから一気に大きな評価益が出た

行動経済学のプロスペクト理論では、人は利益が出ている時には「リスク回避」志向になり、損失が出ている時には「損失回避(リスク志向)」になる傾向が強いと言われています。今回のように大きな利益減少(または損失)を経験してからの利益増加の時には「リスク回避」の感情がより出やすくなり、「また利益が減るかもしれない」というリスクを避けるために目の前の利益を確定したくなるのは自然なこととも言えます。
ただ、私たちは、こうした全部の売却(利益確定売り)は、“もったいない”と感じています。

資産づくりはあなたの人生を充実したものにするためのものですから、近々使う予定があるのであれば、たとえそれが全額となっても必要な売却です。しかし、特に使う予定がなく利益を確定するためだけに売却をすると、これまでせっかく働いてきたお金が“働かない(増えない)お金”に戻ってしまいます。

下のグラフは、運用しながら1,500万円を毎月10万円ずつ取り崩した場合の残高推移です。リターンはあくまでも仮定ですが、運用しながら取り崩していけば、使えるお金(利益)を増やしていくことができます。しかし、全部売却してしまうとその後は増えません。

利益確定の売却は、“(利益・資産を)減らしたくない”という自然な感情による行動なのですが、それは同時に今後増える可能性を手放す行動でもあるのです。
さらに、“減らしたくない”という感情が優先されるので、利益確定の売却時期は早くなりがちです。前述した「長期横ばい後の上昇」や「大きな下落からの上昇」は、過去においてしばしばその後に大きな上昇が起きています。そのため、このような時期での売却は、後から見ると実はそれほど高くないときに売却してしまっていた、となることがよくあります。

買い戻しはあなたの感情にとって楽なものではない

「利益を確定してから、また改めて買い戻せばよい」と考えられるかもしれません。
確かにそうですが、“減らしたくない” “損したくない”という感情が先に立ちますから、買い戻す時には「売った値段より安く買いたい」という感情が強く働きやすくなります。売った値段より高く買えば、「あの時売らなければ良かった(=損をした)」と思うことになるからです。
また、まとまった資金が手元にあることもあって、売った値段より安く買い続けられるか分からないつみたて投資ではなく、安くなってからの一括購入を選びがちです。これでは、せっかくつみたて投資を行ってきたのに、ギャンブル性の高いタイミング狙いの投資(投機)に変わってしまいます。
すぐに安くなればよいですが、その後も上昇が続くと下がるまで待ち続けなければならなくなり、その間資金は“働かないお金”のままとなります。そもそも長期的には上昇していく可能性が高いのが株価ですから、売値より安くならない可能性すらあるのです。売った値段より下がらなかったり、待ちきれずに高い値段で購入しなおすことになれば、売らずに持ち続けた方が良かったことになってしまいます。仮に安く買えたとしても、買い戻した値段が新たな買値として意識されることになるため、“損したくない”感情から基準価額の変動に一喜一憂することになります。つまりは、気の休まらない投資を改めて始めることにもなりかねません。
また、投資の観点とは異なりますが、一般的に使う当てのない”非勤労収入”は無駄遣いしやすい傾向があります。利益確定の際に税金を支払って、さらに無駄使いしたのでは、再度投資をしてもその資金(働くお金)は減ってしまいます。

心をざわつかせない投資をしませんか

投資は、いかに感情に左右されないようにするのかが成否のポイントだと言われます。それは、“損をしたくない”感情を優先すると、時に冷静で合理的な計算や判断とは異なる結論を導くことになってしまうからです。
長期つみたて“ほったらかし”投資における利益は、長期的に成長する世界経済とそれを支える世界の優れた企業の成長を取り込むものです。株価(基準価額)の上下変動(“買い時”と“売り時”の値ざや)で利益を得ようとするものではありません。
前述した2009/10からつみたて投資を始めたケースのように、長く続けて成長を取り込むことができれば、購入平均単価と基準価額との差が広がって、簡単には評価損にならなくなっていきます。実際、このケースでは今回のコロナショックでも評価額はプラスを維持しています。ここまでくれば、「損(マイナス)になるかも」という不安も減って、投資を長く続けることも楽になるはずです。値段が下がった時には「安く買える!」と思い、値段が上がった時には「利益が増えている!」と思うことで、自分の感情を穏やかにしておくことが、投資における成功のコツだと私たちは考えています。

「お金が必要になった時に、必要な金額のみ売却する」と言われても、年齢が上がっていわゆる「資産を取り崩しながら生活する世代」になり、定期的に売却が必要になっている方もおられます。
この定期的に取り崩す方法については、次回説明したいと思います。

(赤津 正)

 

2018/12/28 10周年を迎え、改めて「ユニオンファンド」とは

世界の株式市場が大きく揺れた2018年も間もなく終わろうとしています。株価の大幅な下落を見て、やっぱり株は怖い、難しいと頭を抱えている投資家がたくさんいることでしょう。前年がとても穏やかで順調に上昇しただけに、なおさらです。

そんな2018年、ユニオンファンドはお蔭さまで設立から10年という節目の年を迎えることができました。この間、ユニオン投信を信じて貴重なおカネを投資に回してくださったお客様に深く感謝申し上げます。
10周年に当たり、ユニオンファンドの特色について改めて確認したいと思います。

【投資目的と運用方法が一貫している】

世の中のファンドには、短期で利益を上げるためなのか、毎月のお小遣いの足しにするためなのか、長期の財産づくりのためなのか、といった投資目的が不明確なものが数多く見られます。
お客様の側もまた、何のためにそのファンドを買うのかが曖昧であり、そのファンドが自分の投資目的にかなった運用をするのかどうかには、さほど注意を払いません。儲かるならなんでもいいというわけです。後になって「話が違う」と問題になるのは、このあたりに原因があると思っています。

一方、ユニオンファンドは、働く仲間たちの将来に役立つ長期の財産づくりが目的であることを明確に掲げており、ほとんどのお客様もそのつもりでお買いくださっています。ですから、ファンドの運用もその目的を達成するために最も適切と考えられる方法を一貫して採ることができます。これは運用者にとっては大きな利点です。
一般にはリスクが高いからと敬遠されがちな株式への投資のみを行っているのも、長期的なリターンが最も高いのは株式だからであり、それがお客様の投資目的に合致していると考えているからです。

【つみたて投資の比率が高い】

ユニオンファンドは、設立来、セミナーを中心にしてずっと長期つみたて投資(「定期定額購入」)を積極的にお勧めしてきました。そもそも財産づくりの最初の段階ではまとまった資金がなくて当然なので、それに対応したわけです。加えて、つみたて投資には、株価の大きな変動を味方につけることができるという優れた力があります。投資初心者にも向いており、働く仲間たちが一生懸命働きながら長期の財産づくりをするにはもってこいの手法と言えます。

第10期交付運用報告書の26ページにも記載してありますが、ユニオンファンドの口座を開設しておられる方の76.3%がつみたて投資を利用されています(2018年9月末現在)。この割合は、日本での公募ファンドとしてはおそらく最高だと思います。さらに、つみたて投資を長期で続けていただけている方も多く、ユニオンファンド設定1年目に口座を開設していただいたお客様のなんと87.3%が継続して口座を保有されています。

市況の変動に右往左往して売ったり買ったりすることなく、着実につみたて投資を行うお客様が多数おられることにより、ユニオンファンドには継続的に資金が入っており、2014年1月以降、基準価額が下落していた時期も含めて現在(2018年11月)までずっと月間の流入(買付)額が流出(解約)額を上回る純流入が続いています。このことは運用をする側にとって利点であることはもちろんですが、それ以上に長期で財産づくりをされようと思っているお客様にとっても安心して投資を始め、そして長く続けることができる利点になります。
また、このことが「一億人の投信大賞2017」受賞の大きな力ともなったと考えています。

【10年であげた成果と今後】

最近の株価大幅下落の影響で、ユニオンファンドの基準価額も20,831円まで下落しています(2018年12月26日現在)。それでも設定来のリターンは年率で約7.4%です。この10年間は文字どおり山あり谷ありで、何度か大きな値下がりも経験しました。ユニオンファンドは株式に投資していますから、値動きは大きいです。現在も一歩後退中ですが、買っているのは世界の優れた企業ですから、下がり続けることはなく、いずれは上がる可能性が高いと確信しています。

運用成績はもちろん重要ですが、ユニオンファンドの目的はお客様の長期の財産づくりですから、その目的を果たせているかという点はもっと重要です。この10年間で、たくさんの方に長期つみたて投資の有用性をお伝えして、前述したように多くのお客様につみたて投資を行っていただいています。その結果として、安心して長期つみたて投資を継続できるファンドになっていることは大きな前進であり、これもひとえにご利用いただいているお客様のお力(つみたて投資の実践)によるものだと感謝しています。

長くつみたて投資を経験されている方なら実感していただけるでしょうが、つみたて投資の強みは、下がった時に同じ金額でたくさんの口数(投資信託の数量のこと)を買えることにあります。ここ2年ほど前から始められた方は、最近の値下がりでがっかりしているかもしれませんが、今は頑張って継続していただきたいです。下がった時に買い続けることが、次の上昇での資産増大の大きなエネルギーになるからです。せっかく始めたつみたてを止めたり減額したりというのは、もったいない話です。「ユニオンファンドを安く、たくさん買える」と思うことが肝心です。

ユニオンファンドの運用成績を高めるためにやれることはまだまだあります。さらに、一人でも多くの方に株式投資や長期つみたて投資の有用性を理解いただき、ユニオンファンドになじんでいただけるよう、分かりやすいご説明の機会を増やしていくことも重要課題と考えています。
ここまで着実に育ってきた「株式投資で長期の財産づくり」という流れを一層広めていけるよう、今後も社員一同頑張ってまいりますので、現在ユニオンファンドで長期つみたて投資を実践されている皆さんもぜひご一緒にお付き合いをいただきたいと思っています。

(久保田 徹郎)

 

2017/10/19 株価大暴落から学ぶこと

【あれから30年】

気温が一気に下がり、いきなり秋本番となりました。北国はもう冬かもしれません。秋を英語でFallとも言うのは葉が落ちる季節だからのようですが、落ちるのは木の葉だけではありません。米国のダウ工業株30種平均(以下、ダウ平均)が22.6%安という史上空前の大暴落を演じたのも、1987年の秋、10月19日のことでした。「暗黒の月曜日」という意味で「ブラックマンデー」と呼ばれています。

あれから30年が経ちますが、忘れることのできない日です。朝起きたら、テレビには508ドル安の表示。「まさか! 50.8ドルの間違いだろう」と最初は思ったものの、終値を見ると前週末とで水準が全然違います。間違いなく暴落でした。「1929年の株価大暴落に端を発したとも言われる世界大恐慌が、またやってくるのではないか」。そんな恐ろしい思いが頭から離れず、大急ぎで会社に向かいました。

10月20日の東京市場も、大混乱の中、大幅安となりました。日経平均株価の終値は前日比14.9%安。当時、私は日本株のファンド・マネージャーをやっており、まあまあの成績をあげていたのですが、帳消しになって大ショックを受けました。

【何が起こったのか】

株価が下落したのは、もちろん「秋だから」ではありません。よく挙げられるのは、米国の貿易赤字の拡大、それを背景にした金融引締観測、あるいはその金融政策を巡る米国と西ドイツ(当時)の対立などです。

確かにそうした経済的な背景はありましたが、たった1日で2割以上の急落となったのには、やはり株式市場の内部に要因があったと見るべきでしょう。おそらく、その最たるものが「ポートフォリオ・インシュアランス」と呼ばれた投資手法です。簡単に言えば、主に株価指数先物を利用することによって、株価が上がるときは追随しつつ、下がる時には売りヘッジをして損を小さくしようとするものでした。株価下落による損失を免れることがうたい文句だったことから、「インシュアランス=保険」という名が付けられたようです。

相場が上がる時には上がるけれど下がる時には下がらないなんて、そんなうまい話しがあるものかと、最初こそ眉唾ものだと疑う投資家が少なくありませんでした。しかし、プロの投資家に次第に広がるにつれ、ライバルとの競争もあるので採用する運用機関が増えていきました。彼らの巨額の運用資金が株価を押し上げるほどにさえなっていったのです。

市場が下がっても自分のおカネは「保険」で守られると思えば、安心感も働いて投資はますます大胆になります。これがいけませんでした。そもそも、コストもかけずリスクを完全に回避できる方法などありません。安心だと思っていた投資家は大混乱に陥りました。まさにパニック状態です。

問題なのは、多くの投資家が同じ手法を使っていたことでした。上がるときは彼らの買いで上がりますが、下がるときは、損失回避の行動に一斉に出た彼らの売りで下がります。かくして先物も現物も一気に、かつ大量に売られることとなり、下げが下げを呼んでついには大暴落に至った、というのが顛末です。

この大暴落からは多くのことを学べると思います。

【教訓1】

うまい話には裏がある、というのは、たいてい本当だ」ということです。そして、「自分だけいい思いをしようとしても、うまくはいかない」ものです。

【教訓2】

大暴落前のダウ平均の高値(終値ベース)は同年8月25日の2,722.42ドルでした。そんなところで買った人は悲惨です。大暴落当日の終値は1,738.74ドルですから、わずか2ヵ月で36%もの損失を被ったことになります。恐怖と絶望のどん底だったに違いありません。

しかし肝心なのはそこではありません。ダウ平均が今はおよそ23,000ドル台だということこそ、私は重要だと思います。この暴落時の安値からは13倍以上、高値からでも8倍以上になったのです。この30年間に支払われた配当金を含めれば、大損どころか大成功だったと言えるでしょう。そうなった理由は、すべて米国株が上がり続けたことにあります。

いつ買っていつ売るかより、どこに投資するかの方がよほど大事だ」というのが、私が考える二つ目の教訓です。

【教訓3】

そうは言っても、どこの市場、どんな企業に投資するか正しく判断することは、不可能ではありませんが簡単でもありません。さしあたりファンドを通じて世界に分散投資するのがよいでしょう。

でも、それでは足りないと思います。というのは、大暴落の際、米国では投資信託(ファンド)の解約売りが殺到したからです。「そんな安値でもったいない」と、後になれば誰でも思うことですが、暴落の最中にあっては恐怖に駆られて売ってしまうのも無理からぬところです。売らずに持ち続けたかどうかは、その後の運用成果を大きく左右しました。

売るか持ち続けるか。それを分けるのは、投資家がそのファンドをどれだけ理解し信じているかに大いにかかっています。単に「儲かりそうだ」という理由だけで買うと、下落時に「損しそうだ」と思って売ってしまいがちです。

ファンドのことを理解し納得し信じていること」は、ですからとても大事です。これが教訓の三つ目です。ユニオン投信がファンドの直接販売をしているのも、お客さまに理解していただく大切な作業を人任せにはできないと考えているからです。

(久保田 徹郎)

 

2017/9/9 コスト<運用成績<信頼感 ②

【ファンドと運用会社への信頼感】

最終的にどれほど素晴らしい運用成績を上げるファンドであっても、基準価額は途中で必ず下がります。下がらないで上がるだけというわけにはいきません。
下がった時に、「このファンドなら、この運用会社なら大丈夫」という確信、あるいは信頼感を持っていただいているかどうかは、コストや短期の運用成績よりも財産づくりにとって重要だと思っています。

ファンドへの信頼感があって初めて、基準価額が多少下がろうとも売らないで頑張ることができます。「上がったからそろそろ下がりそうだ」と心配して売る必要もありません。仮に心配が当たって値下がりしたとしても、信頼できるファンドであれば、そこは買い増せばいい話です。口数を増やせるチャンスなのですから。それは結果として、ファンドの運用成績以上の成果を投資家にもたらします。

【成長し続ける企業に投資することの意味】

そもそも、という話ですが、ユニオンファンドが投資している株式は企業が発行しているものであり、株式を持っているということはその企業の一部を所有しているということです。つまり、肝心なのは株価ではなく企業そのものです。

景気の変動や相場の揺れの影響を受けていくら株価が下がったとしても、企業自体が健全であれば、たいした問題ではありません。成長し続けている企業であるなら、株価はそれほど時間をおかずに元の水準に戻り、高値を更新しても不思議ではないのです。

値動きだけ見て投資していると、株価の下落は恐ろしいものに見えるに違いありません。しかし、企業をしっかり見て投資しているなら、「株価下落は買い増しのチャンスだ」とむしろうれしくなってもおかしくないくらいです。

【相場を当てることより重要なのは投資先を選ぶこと】

そうなると、いよいよ企業を見抜く力がとても大切だということになります。本当に成長できるのか、つぶれてしまうことはないのか、という目利きの力が絶対的に重要です。

ユニオンファンドは、現在5本のファンドを組み入れています。その運用を担ってくれている4つの会社は、皆さんに代わって投資先企業の状況の把握と、より優れた企業の発掘に全力を尽くしています。

彼らの調査と運用の力はなかなかのものです。悪くても市場並み、全体としては市場の動きを上回る運用成績を収めています。私にとっては、信頼できるファンドばかりです。

株式投資は難しいという方は多いですが、それは、「ランダムに発生する雑音を予知し、相場を当てること」が投資だと思っておられるからのように思います。
長期の財産づくりを考え、投資先企業の成長とともに資産が増えればいいとお考えなら、「優れた企業に投資すること」を重視する必要はあっても、「いつ買うか」「いつ売るか」といった売買タイミングにエネルギーを割く必要はそれほどないと思っています。

【ユニオンファンドが組入ファンドを選ぶとき】

繰り返しになりますが、株価は最終的には企業業績次第だと思っています。ですからユニオンファンドにとって重要な組入ファンドの選定も、こうした観点で行っています。

最も重視しているのは、企業をどれだけ丹念に調べているかという点です。つぶれる企業を排除し、成長し続けられる企業を見つけることができる能力を持ち、かつそれを地道に続けているかどうかです。

そこから少々下の方にある第二の重要ポイントは、そうやって選び抜いた企業をできる限り安い時に買う能力があるかどうかです。

優れた企業を選んでまあまあ割安な時に投資する、というこうした運用を地道に続けていけば、成果は後から自然についてくると私は確信しています。地味ではありますが、こうした投資方法はこれまで大きな成功を収めてきました。

【コスト<運用成績<信頼感】

コストが低いことも、運用成績が優れていることも、ともに大切です。しかし、それとともに、あるいはそれ以上に、ファンドへの信頼感が大切だと私は思っています。

運用会社の使命は、結局のところお客さまである投資家の皆さんの財産づくりに貢献することです。どれだけコストが低くどれだけ運用成績が良くても、お客さまの財産づくりに最終的に貢献できていないのであれば、意味がないとさえ思います。

基準価額が下がるかもしれないと怖がることなく持ち続けていただけること、さらには値下がりしたら喜んで買っていただけること。
そうしたファンドにしていくために、運用はもちろんのこと、あらゆる機会を通じてお客さまが安心してお持ちいただけるように、今後も努力してまいります。

(久保田 徹郎)

 

2017/7/26 コスト<運用成績<信頼感 ①

ファンド選びでは何を優先したらいいのでしょう

最近、投信(ファンド)の販売手数料や信託報酬といった「コスト」に注目する人が増えています。財産づくりをするうえで、コスト意識は重要です。

運用成績をまず見る人もたくさんいらっしゃいます。運用成績は、ファンドが良質かどうかを結果として示すものですから、言うまでもなく非常に大事です。財産づくりをするには値段が上がるものを買うべきであって、下がり続けるものは避けようとするのが当然です。

コストは重要だが運用成果とのバランスが肝心

まずコストについてですが、ご購入時にかかる販売手数料(ユニオンファンドにはありません)はもちろん、日々差し引かれる信託報酬は率があらかじめ決まっていますから、1年でどのくらいコストがかかるかだいたい計算できます。一方、運用成績は事前に計算できるものではありません。

このため、まずコストを減らすことに目が行くのも自然なことです。しかし、「コストはとにかく少なければいい」というものでもありません。言うまでもなく、「コストをかけただけのことがあったかどうか」という観点こそ大切です。

念のため申し上げますと、ファンドの値段(基準価額)は信託報酬というコストを差し引いた後の数字です。極論すれば、どんなに手数料がかかったとしても、それを上回って基準価額が上昇し、その運用成績が納得できるものであるなら、トータルすれば「コストはむしろ安かった」と考えることができるはずです。逆に、いくらコストの安いファンドを選んでも、運用成績に満足できないのであれば、何のためにコストを削ったのか意味がわからなくなります。

そもそも、コストはどんなに低くしようともゼロ以下にはなりません(ゼロでは会社が成り立たないので)。コスト削減で得られるメリットには最初から限界があるわけです。

コストは軽視できませんが、ファンドを選ぶ場合の最優先テーマとは思えません。「同じものなら安い方がいい」というくらいの話でしょう。

運用成績にも落とし穴があるので要注意

次に運用成績ですが、こちらは良いに越したことはありません。ただ、運用成績を示す基準価額を見る場合に注意しなくてはいけない点もあります。

基準価額が上がり始めると買いが殺到し、下がりだすと投資家が逃げ出すようなファンドは、長期の財産づくりには向いていないと言ってもいいでしょう。そのファンドの良い時と悪い時を自分で見抜かないといけないということを、投資家のこうした行動が間接的に示しているからです。

基準価額が大きく上がり「ものすごく儲かったから」と投資家が売り抜けてしまうファンドも、一見すると成績が良くていいファンドに思えますが、いまひとつ力不足なのではないかと私は思います。
なぜなら、売った後も基準価額が上がり続けることは少なくないからです。「先が心配だ、下がるのは嫌だ」と言って早く売り過ぎる結果、利益を大きく得損なう投資家は非常に多いのです。

持っていて大丈夫という信頼感

「そのうち下がるかもしれないが、まあその後また戻ってくるからいいや」と放置できるくらいのファンドの方が、むしろ望ましいように思います。
さらには、基準価額が下がってくると投資家の購入が増えるようなファンドはなおいいように思います。「下がっているのは一時的だ」と多くの投資家から信じられていることを示している可能性があるからです。

株式にしろファンドにしろ、天井を見極めてうまく売り抜けるなどという難しい技を必要とするようでは、一般の人たちの長期の財産づくりの役に立つとは思えません。そんなこと、プロでも簡単ではないのですから。

財産づくりに役立つファンドとは、基準価額が長期で上がることはもちろんですが、目先の上げ下げに関係なく買われ続け、持ち続けていただけるファンドのはずです。

ユニオンファンドもそうしたファンドでありたいと思っています。そのために何が必要なのか、という点は、次回書くことにします。

(久保田 徹郎)

 

2017/5/19 相場を当てなくてもいい投資

タイミングを当てるのはとことん難しい

投資というと、安い時に買って高い時に売るもの、とよく言われますし、確かにそういう面はあります。
しかし、今が安い買い時なのか、それとも高い売り時なのかを正しく判断することは、不可能とは言いませんが決して簡単ではありません。
むしろ、実際には「安い」と思って買ったらそこからさらに下がり続けたり、逆に「高い」と思って売ったらその後も上がっていってしまったり、といったことが少なくありません。

以前のコラム(2月3日)にも書きましたが、株価が18倍になっても投資信託(ファンド)の保有者はあまり利益を上げていないというのが現実です。
下の図のように売買すれば、上昇相場であっても損をしてしまうのです。

上がり続ける株式市場で十分な利益が上がらない最大の理由は、実は「損をせず儲かるように、うまくやってやろう」「相場を当ててやろう」という欲だと言ってもいいかも知れません。市場には、寝る間も惜しんで研究し、長い経験を積んだ才能ある投資家が山のようにいます。あなただけではなく、彼らも虎視眈々と利益を得ようと狙っているのです。
彼らの上をいかない限り、相場の方向を当て続けることはできないと言ってもいいでしょう。誰にでもできることとは思えません。

負けるが勝ちの積立投資

買ってから値段が下がるのは誰だって嫌なものです。
でも、株価にも為替相場にも、上がったり下がったりという波があるので、損はどうしてもついて回ります。
ただ、その波を全部正しく当てる必要などありません。それどころか、価格の下落は利益の元にさえなります。

ファンドの積立の場合を見てみましょう。下の図をご覧ください。これは、1回につき10,000円ずつ、4回に分けて投資したケースですが、合計40,000円投資して、終わってみれば46,667円に増えています。
なぜこんなことが起こるのかと言えば、基準価額(ファンドの値段)が大きく下がった2回目に一気に20,000口買えたからです。
最終的に値段は元の10,000円に戻っただけなのに、それでも大きなプラスが残るのです。

基準価額が下落した瞬間は、前に投資した部分が確かに損になっています。
しかし、繰り返しになりますが、その時にたくさんの口数が買えたことが、後々プラスに働いてきます。
長期の積立投資では、価格の下落は私たちの敵ではなく味方だと言ってもいいくらいでしょう。

●ポイントは二つです。
一つは、「途中の値下がりは最終的には財産づくりのプラスになる」こと、
もう一つは、「長期的に上がっていくものに投資する」ことです。

積立投資は、「値上がり期待はあるが価格変動が大きい」という株式の性質を逆にうまく生かした投資手法だと言えるでしょう。
「損しないための相場予想」は不要です。
ユニオン投信が積立投資をお勧めしているのは、こうした理由からです。

(久保田 徹郎)

 

2017/2/3 下がったら買いたくなるファンド

もうずいぶん前ことですが、証券会社の方と話をしていたときのことです。
「久保田さんはどんなファンドを目指していますか?」
そう聞かれて、私は「下がったらお客さまが買いたくなるファンドです」
とお答えしたことがあります。

その方は、怪訝そうな顔をされました。
(“上がるファンド”の間違いではないのか?)
そう思われたようで、話は最後までかみ合いませんでした。
下がったら買いたくなるか、それとも売ってしまいたくなるか。
ここは大きな分かれ目です。

この図は、2008年3月に英国の『エコノミスト』という経済誌に掲載された数字を基に作成したもので、計測期間は1980年から2005年です。インデックスファンドとは、市場の動きとぴったり同じように値段(基準価額)が動くように設計・運用されているファンドのことです。

「ファンド選びが難しい」とか、「全体の株価上昇を享受したい」、中には「へたなファンドマネージャーに任せるよりもいい」(笑)ということで、非常に多くの投資家が保有しています。さて、この間にインデックスファンドの評価額は17倍、増加したのですが、お客さまたちがお持ちのファンドの方は増加がたったの5倍にもなりませんでした。

なぜなのでしょうか。記事によれば、理由は二つあります。
一つは、インデックスファンドよりも手数料が高いファンドの保有が多かったこと。
もう一つは、ファンドの保有者の売買が下手過ぎたことです。「売買が下手」とはどういうことなのか。

要するに、値段が上がってくると買い、下がってくると売ってしまうということです。
高値で買って安値で売れば、いくらファンドが最終的に値上がりしても利益など出ません。

なぜそうなってしまうのでしょう。

この記事には詳しく書いてありませんでしたが、だいたいの察しはつきます。
おそらく、市場やファンドの価格変動に気を取られ過ぎることに原因があるのです。
値段が上がってくると「いいファンドだ」と喜び、下がってくると「なんだこれは」と嘆く。

それにしても困りました。
運用成績をどれだけ上げてもお客さまの財産はなかなか殖えない、
としたら、いったいどうしたらいいのでしょう。

たどり着いたのは以下の考えです。

・投資家が値動きに振り回されるのは、持っているものが何なのかわかっていないため
・ならば、その強みはもちろん、弱みも知ってもらえばいい
・いいものを持っている限り、値段が下がっても不安にはならないはず
・それどころか、同じものが安く買えてありがたいと思ってもらえるはず

記事を読んでから9年になろうとしていますが、結論はずっと同じです。

ユニオン投信の目的は、お客さまの財産作りのお役に立つことです。
ファンドマネージャーが運用成績の向上に最大の力を注ぐのは当然です。
しかし、それだけでは全く十分ではないと、私は思います。
重要なのは、基準価額が下がったときでも、お客さまが不安に駆られて売ってしまうことがないようにすることです。
基準価額が下がると、「うれしい、下がったからまたたくさん買える」と思っていただけるファンドに、ぜひしていきたいです。
それによって、ファンドの成績と同じかそれ以上にお客さまの財産づくりがうまくいくのだと思っています。

(久保田 徹郎)

 

2016/12/28 株価はなぜこれまで上がってきたのか

ホームページのリニューアルに合わせ、ファンドマネージャーがいろいろ書くことができるコーナーを作ってもらいました。

このコーナーでは、投資の話やユニオンファンドの話をメインにします。
皆さんが株式や株式投信、そしてユニオンファンドとうまく付き合っていただけるように、役に立つヒントを書いていこうと思っています。例えば、
・私たちが投資している市場の最近の状況
・ユニオンファンドのこと
・「投資の仕方」のような話
個別株の推奨とかギラギラした株価予想などは書きません。

さて今回は、「株価はなぜこれまで上がってきたのか」です。
長期で財産づくりをするために押さえておくべきキモ、あるいは「株式長期投資の一丁目一番地」の話です。

株価は、一部には例外があるものの、これまで概ね長期にわたり上がってきました。
「耳にタコ」かもしれませんが、「経済が成長してきた」ことがその理由です。

この図は、アメリカの名目国内総生産(GDP)と、代表的な株価指数であるダウ平均株価を、ともに1930年から見たものです。
(縦軸の目盛りは、「差」ではなく「倍率」がわかるように対数表示にしてあります。)

青線で示したGDPと、オレンジの線の株価は、だいたいパラレルに推移してきたことがお分かりいただけると思います。
要するに、経済が大きくなるのにつれて株価も上昇してきた、ということです。

なんだ、アタリマエ、と思われるかも知れません。
でも、経済成長というのはとても時間がかかる話であり、なかなか実感しにくいものです。
上下に日々揺れ動く株価を見ていると、つい忘れがちになりますので、たまには思い出してみるのもいいでしょう。

私たちユニオン投信では、世界経済はこれからも拡大していくと思っています。
ならば株価も自然に上がって行くだろうと考えているわけです。

ただ、図をよく見ますと、いくつか気になることもあります。

例えば
GDP(青線)に比べて株価(オレンジの線)の方がよく上がっているときもあれば、逆の時もあります。
いつもぴったりというわけにはいきません。株価はいろいろな理由で上下に振れます。

また、最近のGDPは伸びが落ちているように見えますから、これからも大丈夫なんだろうかと疑問を抱かれたかも知れません。
それでもまったく大丈夫と思っている理由があります。

このあたりのことも、今後おいおい書いていこうと思います

(久保田 徹郎)

 

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第1978号 一般社団法人投資信託協会会員

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