2021.04.13
コラム
一億人の投信大賞上位入賞ともう一つの大きな価値
3月25日の夜に、当社に一通のメールが届きました。そのメールは、ユニオンファンドが『一億人の投信大賞2020』において外国株式部門第3位に入選したとのご報告でした。
ユニオンファンドが『一億人の投信大賞』において上位入選したのは、2015年新興国株式部門で第2位、2017年外国株式部門で第2位、そして今回で3度目になります。
実は毎年この賞の発表時期になると、私はいつも気になってそわそわしています。
この知らせを受けての正直な気持ちは、まずはホッとしたというものです。3年ぶりの上位入選ですから、嬉しくない訳はありません。ただ、それ以上に毎年気にしていることがあるのです。
実は毎年この賞の発表時期になると、私はいつも気になってそわそわしています。
この知らせを受けての正直な気持ちは、まずはホッとしたというものです。3年ぶりの上位入選ですから、嬉しくない訳はありません。ただ、それ以上に毎年気にしていることがあるのです。
『一億人の投信大賞』とは?
みなさんは『一億人の投信大賞』という賞をご存じでしょうか?
この賞は、巷でよく見られる「今一番売れている」とか「今一番利益が出ている」とかいうランキングや賞のようなものとは審査目線が一線を画しており、「普通の人が普通に長期投資で資産形成をするために使えそうな、より良い投信を探そう」という趣旨で投資信託を評価しています。
まずは、前段の「普通の人が普通に長期投資で資産形成をするために使えそうな」条件でスクリーニングされます(下記「ノミネートファンド選出」参照)。
実は、このスクリーニングで残る評価対象が毎年非常に少ないのです。2020年が2.8%(157本/5,679本)、前年も2.5%(143本/5,747本)と、例年一握りの投資信託しか残らない状況が続いており、その結果には毎年驚かされます。
この狭き門(個人的には、スクリーニング条件はこの結果程厳しいものではないと思うのですが)を潜り抜けたノミネートファンドの中から、パフォーマンス等を評価して「より良い投信」が選定されます。
この賞は、巷でよく見られる「今一番売れている」とか「今一番利益が出ている」とかいうランキングや賞のようなものとは審査目線が一線を画しており、「普通の人が普通に長期投資で資産形成をするために使えそうな、より良い投信を探そう」という趣旨で投資信託を評価しています。
まずは、前段の「普通の人が普通に長期投資で資産形成をするために使えそうな」条件でスクリーニングされます(下記「ノミネートファンド選出」参照)。
実は、このスクリーニングで残る評価対象が毎年非常に少ないのです。2020年が2.8%(157本/5,679本)、前年も2.5%(143本/5,747本)と、例年一握りの投資信託しか残らない状況が続いており、その結果には毎年驚かされます。
この狭き門(個人的には、スクリーニング条件はこの結果程厳しいものではないと思うのですが)を潜り抜けたノミネートファンドの中から、パフォーマンス等を評価して「より良い投信」が選定されます。
10年以上前から変わっていない日本の投信の課題
公表されているスクリーニング結果(下記「ノミネートファンド選出」参照)をみると、通過率が突出して低い、つまりクリアを難しいものにしているのは、以下の2つの条件であり、これも例年変わっていないようです。
① 過去36か月のうち資金純減月数13か月以上のものを除外(2020年度通過率22.9%)
② 基準月末純資産30億円未満を除外(2020年度通過率37.9%)
上記①は運用実績3年以上という条件を通った投資信託での実績となっていますので、設定から3年で区切っても、購入金額の維持・拡大が難しくなり、売却額の方が多い傾向になっている商品がかなりあることを示しています。
また、②の純資産総額30億円は、一般的にビジネスが成り立つ投資信託の水準として挙げられています。②の対象は設定から間もない商品も含まれていますが、設定から時間が経って純資産が減少し、ビジネスが成り立たない水準まで減ってきているのだとすれば、今後繰上償還の検討がされかねないということになります。
上記通過率は、それ以前のスクリーニング条件をクリアした商品での値ですので、この数値が投資信託全体での値ではないとしても、永く続く投資信託が多くないという実態は判ります。実際、昨年1年間で償還された投資信託は350本弱もありますし、さらにその内の約半分は繰上償還なのです。
このことは、購入しているお客様が短期での利益を求める投資(投機に近い行動)をしていることが一因でもありますが、それも販売戦略やお客様への投資説明の不足が招いている点も否めないと思います。
長期つみたて投資で生涯に渡る資産形成を任せられる投資信託が少ないという課題は、私たちが10年以上前にユニオン投信を立ち上げた理由でもあり、その当時からなかなか改善されていないのではないかと思います。
① 過去36か月のうち資金純減月数13か月以上のものを除外(2020年度通過率22.9%)
② 基準月末純資産30億円未満を除外(2020年度通過率37.9%)
上記①は運用実績3年以上という条件を通った投資信託での実績となっていますので、設定から3年で区切っても、購入金額の維持・拡大が難しくなり、売却額の方が多い傾向になっている商品がかなりあることを示しています。
また、②の純資産総額30億円は、一般的にビジネスが成り立つ投資信託の水準として挙げられています。②の対象は設定から間もない商品も含まれていますが、設定から時間が経って純資産が減少し、ビジネスが成り立たない水準まで減ってきているのだとすれば、今後繰上償還の検討がされかねないということになります。
上記通過率は、それ以前のスクリーニング条件をクリアした商品での値ですので、この数値が投資信託全体での値ではないとしても、永く続く投資信託が多くないという実態は判ります。実際、昨年1年間で償還された投資信託は350本弱もありますし、さらにその内の約半分は繰上償還なのです。
このことは、購入しているお客様が短期での利益を求める投資(投機に近い行動)をしていることが一因でもありますが、それも販売戦略やお客様への投資説明の不足が招いている点も否めないと思います。
長期つみたて投資で生涯に渡る資産形成を任せられる投資信託が少ないという課題は、私たちが10年以上前にユニオン投信を立ち上げた理由でもあり、その当時からなかなか改善されていないのではないかと思います。
ユニオンファンドにとって、上位入選より重要なポイント
ユニオンファンドは、働く人たちが働きながらコツコツとつみたて投資を長期で続けて資産形成を行っていくために作られた投資信託です。
購入されるみなさんが安心して生涯投資を続けられるためには、永続的に続く投資信託でなければなりません。
そのために、セミナーを通じてユニオン投信が考える長期つみたて“ほったらかし”投資をしっかりとご説明し、実際に行っていただく仲間を増やしていくという販売方法を取っており、口座開設者の74%が定期定額購入をされています(2021/3/末現在)。多くの方が長期でつみたて投資を行ってくださることは、安定的な資金流入を生み、長期投資を前提とした運用ができる状況を作っています。ユニオンファンドは、一人一人の長期つみたて投資の行動が、一緒に投資を行っている仲間全員の投資環境をより良いものにしていくという互助で成り立っている投資信託だと考えています。
『一億人の投信大賞』では、この点を「受益者の質」と表現されています。この観点がスクリーニング条件や評価項目に入っていることは他に無い大きな特徴であり、その意味で毎年行われるこの賞はユニオンファンドが目指している姿を実現できているかどうかを社外から評価いただける貴重な場だと捉えています。
ユニオンファンドは、純資産総額30億円を超えて迎えた2015年から6年連続で『一億人の投信大賞』でノミネートされています。ちなみに、『一億人の投信大賞2020』にて6年以上連続でノミネートされている投資信託は、わずか30本しかありません。このことは、ユニオンファンドにとって上位入選に勝るとも劣らない大きな価値だと思っています。
今後も厳しいスクリーニング条件(これが厳しい条件となっていること自体がこの業界の問題だと思いますが)をクリアして、ずっとノミネートされうる“頼りになる投資信託”であり続けられるよう努力していく所存です。
『一億人の投信大賞』のHPには、選定者の島田知保さん、竹川美奈子さん、高橋忠郎さんの対談記事があり、この『一億人の投信大賞』を作られた理由や、選定の考え方、どう活用して欲しいかといった内容が書かれています。
とても興味深い内容でしたので、是非ご覧になっていただきたいと思います。
『一億人の投信大賞』を作ろうと思った理由
『一億人の投信大賞』の特長・活用法
購入されるみなさんが安心して生涯投資を続けられるためには、永続的に続く投資信託でなければなりません。
そのために、セミナーを通じてユニオン投信が考える長期つみたて“ほったらかし”投資をしっかりとご説明し、実際に行っていただく仲間を増やしていくという販売方法を取っており、口座開設者の74%が定期定額購入をされています(2021/3/末現在)。多くの方が長期でつみたて投資を行ってくださることは、安定的な資金流入を生み、長期投資を前提とした運用ができる状況を作っています。ユニオンファンドは、一人一人の長期つみたて投資の行動が、一緒に投資を行っている仲間全員の投資環境をより良いものにしていくという互助で成り立っている投資信託だと考えています。
『一億人の投信大賞』では、この点を「受益者の質」と表現されています。この観点がスクリーニング条件や評価項目に入っていることは他に無い大きな特徴であり、その意味で毎年行われるこの賞はユニオンファンドが目指している姿を実現できているかどうかを社外から評価いただける貴重な場だと捉えています。
ユニオンファンドは、純資産総額30億円を超えて迎えた2015年から6年連続で『一億人の投信大賞』でノミネートされています。ちなみに、『一億人の投信大賞2020』にて6年以上連続でノミネートされている投資信託は、わずか30本しかありません。このことは、ユニオンファンドにとって上位入選に勝るとも劣らない大きな価値だと思っています。
今後も厳しいスクリーニング条件(これが厳しい条件となっていること自体がこの業界の問題だと思いますが)をクリアして、ずっとノミネートされうる“頼りになる投資信託”であり続けられるよう努力していく所存です。
『一億人の投信大賞』のHPには、選定者の島田知保さん、竹川美奈子さん、高橋忠郎さんの対談記事があり、この『一億人の投信大賞』を作られた理由や、選定の考え方、どう活用して欲しいかといった内容が書かれています。
とても興味深い内容でしたので、是非ご覧になっていただきたいと思います。
『一億人の投信大賞』を作ろうと思った理由
『一億人の投信大賞』の特長・活用法
(赤津 正)
- このコラムは、掲載時点での意見・見通し等であり、将来の運用成果や市場環境等の変動を保証するものではなく、将来予告なしに変更することがあります。
- 金融商品等への投資は、その価格の変動等により損失を生じることがあります。
- 金融商品等ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面、目論見書等をよくお読みいただき、ご自身でご判断ください。