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コラム

『利益確定売り』が頭に浮かんだら考えて欲しいこと

コロナショック後の世界的な株価上昇を受けてユニオンファンドの基準価額も上昇し、昨年最終日の12月30日にほぼ3年ぶりに設定来最高値を更新しました。1月以降も28,000円を超えて概ね上昇傾向を続けています。
そんな基準価額の上昇を受けて、11月頃から売却される方が増えています。特にこれまでずっとつみたて投資を継続されてきた方など、ほとんど売却をされてこなかった方が一部ではなく全部売却されているケースが目立ちます。
私たちがセミナーなどでお勧めしている長期つみたて“ほったらかし”投資では、売却は「お金が必要になった時に、必要な金額のみ」行うのが良いと説明しています。しかし、コロナ禍が落ち着かない中で、売却された皆さん全員が住宅や車を買うほどの大金を今必要とされているとは思えません。今回の売却には、いわゆる『利益確定売り』がたくさんあるのではないかと思っています。

あなたの感情が「資産を増やすこと」より優先するもの

以下のような状況の中で『利益確定売り』を行いたくなった気持ちはよく解ります。
長く積立されている方(下図①)
自身の評価益が約3年ぶりに最高益となった

積立数年の方(下図②)
2年以上評価益が+/-を行ったり来たりした後にコロナショックで大きく評価損が発生し、そこから一気に大きな評価益が出た
行動経済学のプロスペクト理論では、人は利益が出ている時には「リスク回避」志向になり、損失が出ている時には「損失回避(リスク志向)」になる傾向が強いと言われています。今回のように大きな利益減少(または損失)を経験してからの利益増加の時には「リスク回避」の感情がより出やすくなり、「また利益が減るかもしれない」というリスクを避けるために目の前の利益を確定したくなるのは自然なこととも言えます。
ただ、私たちは、こうした全部の売却(利益確定売り)は、“もったいない”と感じています。

資産づくりはあなたの人生を充実したものにするためのものですから、近々使う予定があるのであれば、たとえそれが全額となっても必要な売却です。しかし、特に使う予定がなく利益を確定するためだけに売却をすると、これまでせっかく働いてきたお金が“働かない(増えない)お金”に戻ってしまいます。
下のグラフは、運用しながら1,500万円を毎月10万円ずつ取り崩した場合の残高推移です。リターンはあくまでも仮定ですが、運用しながら取り崩していけば、使えるお金(利益)を増やしていくことができます。しかし、全部売却してしまうとその後は増えません。
利益確定の売却は、“(利益・資産を)減らしたくない”という自然な感情による行動なのですが、それは同時に今後増える可能性を手放す行動でもあるのです。
さらに、“減らしたくない”という感情が優先されるので、利益確定の売却時期は早くなりがちです。前述した「長期横ばい後の上昇」や「大きな下落からの上昇」は、過去においてしばしばその後に大きな上昇が起きています。そのため、このような時期での売却は、後から見ると実はそれほど高くないときに売却してしまっていた、となることがよくあります。

買い戻しはあなたの感情にとって楽なものではない

「利益を確定してから、また改めて買い戻せばよい」と考えられるかもしれません。
確かにそうですが、“減らしたくない” “損したくない”という感情が先に立ちますから、買い戻す時には「売った値段より安く買いたい」という感情が強く働きやすくなります。売った値段より高く買えば、「あの時売らなければ良かった(=損をした)」と思うことになるからです。
また、まとまった資金が手元にあることもあって、売った値段より安く買い続けられるか分からないつみたて投資ではなく、安くなってからの一括購入を選びがちです。これでは、せっかくつみたて投資を行ってきたのに、ギャンブル性の高いタイミング狙いの投資(投機)に変わってしまいます。
すぐに安くなればよいですが、その後も上昇が続くと下がるまで待ち続けなければならなくなり、その間資金は“働かないお金”のままとなります。そもそも長期的には上昇していく可能性が高いのが株価ですから、売値より安くならない可能性すらあるのです。売った値段より下がらなかったり、待ちきれずに高い値段で購入しなおすことになれば、売らずに持ち続けた方が良かったことになってしまいます。仮に安く買えたとしても、買い戻した値段が新たな買値として意識されることになるため、“損したくない”感情から基準価額の変動に一喜一憂することになります。つまりは、気の休まらない投資を改めて始めることにもなりかねません。
また、投資の観点とは異なりますが、一般的に使う当てのない”非勤労収入”は無駄遣いしやすい傾向があります。利益確定の際に税金を支払って、さらに無駄使いしたのでは、再度投資をしてもその資金(働くお金)は減ってしまいます。

心をざわつかせない投資をしませんか

投資は、いかに感情に左右されないようにするのかが成否のポイントだと言われます。それは、“損をしたくない”感情を優先すると、時に冷静で合理的な計算や判断とは異なる結論を導くことになってしまうからです。
長期つみたて“ほったらかし”投資における利益は、長期的に成長する世界経済とそれを支える世界の優れた企業の成長を取り込むものです。株価(基準価額)の上下変動(“買い時”と“売り時”の値ざや)で利益を得ようとするものではありません。
前述した2009/10からつみたて投資を始めたケースのように、長く続けて成長を取り込むことができれば、購入平均単価と基準価額との差が広がって、簡単には評価損にならなくなっていきます。実際、このケースでは今回のコロナショックでも評価額はプラスを維持しています。ここまでくれば、「損(マイナス)になるかも」という不安も減って、投資を長く続けることも楽になるはずです。値段が下がった時には「安く買える!」と思い、値段が上がった時には「利益が増えている!」と思うことで、自分の感情を穏やかにしておくことが、投資における成功のコツだと私たちは考えています。
「お金が必要になった時に、必要な金額のみ売却する」と言われても、年齢が上がっていわゆる「資産を取り崩しながら生活する世代」になり、定期的に売却が必要になっている方もおられます。
この定期的に取り崩す方法については、次回説明したいと思います。
(赤津 正)
  • このコラムは、掲載時点での意見・見通し等であり、将来の運用成果や市場環境等の変動を保証するものではなく、将来予告なしに変更することがあります。
  • 金融商品等への投資は、その価格の変動等により損失を生じることがあります。
  • 金融商品等ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面、目論見書等をよくお読みいただき、ご自身でご判断ください。
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